コンサート感想 2014
2014年3月14日(金)産業技術記念館コンサート
諏訪内晶子(ヴァイオリン)
エリック・クランブ(ヴァイオリン)
ピアノ:林 絵里
1.ショスタコーヴィチ:2つのヴァイオリンとピアノのための5つの小品
2.シューマン:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 イ短調 作品105
3.タンギ:2つのヴァイオリンのためのソナタより
4.クライスラー:美しきロスマリン、愛の悲しみ、愛の喜び
5.サラサーテ:ナヴァラ 作品33
①ショスタコーヴィチ:2つのヴァイオリンとピアノのための5つの小品
1.プレリュード
2.ガボット
3.エレジー
4.ワルツ
5.ポルカ
ヴァイオリン:諏訪内晶子、エリック・クランブ
諏訪内さんが第1、クランブが第2です。
ショスタコーヴィチは実に面白いハーモニーです。
うっとりもので飽きさせない面々をもっています。
②シューマン:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 イ短調 作品105
ヴァイオリン:エリック・クランブ
第一楽章から暖かみありいいねえっと聴いていました。
第二楽章も技巧的側面がありますが、
第三楽章はパッとしません・・・
シューマンのソナタには、技巧派には合わないかもね。
ただ、ヴァイオリンとピアノのシルエットが壁に移って、何だか無性に写真が撮りたくなっちゃいました。(^^)
③タンギ:2つのヴァイオリンのためのソナタより第一楽章
ヴァイオリン:諏訪内晶子、エリック・クランブ
クランブが第1、諏訪内さんが第2です。
あっちこっちとフレーズが行き来するので、なかなか面白くて頑張っています。
タンギさんは、コンサート会場にいて挨拶をしましたのでなかなかユニークです。
なお、3年前にエリック・クランブとパリの友人に依頼された曲です。
④クライスラー:美しきロスマリン、愛の悲しみ、愛の喜び
ヴァイオリン:エリック・クランブ
ヴァイオリンの溜めを理解して実践したので、特に「愛の喜び」なんて鮮やかなフレーズなんでしょうか。
⑤サラサーテ:ナヴァラ 作品33
ヴァイオリン:諏訪内晶子、エリック・クランブ
クランブが第1、諏訪内さんが第2です。
サラサーテの技巧的演奏が垣間見える一面がありました。
なかなかいい演奏ってありませんが、諏訪内晶子さんを芸術監督としたユニークな発想には光るものがあると思います。
2014年4月5日(土)三井住友海上 しらかわホール
福永真弓(ピアノ)
1.スカルラッティ ソナタ ホ長調 K.380/L.23
2.スカルラッティ ソナタ ト長調 K.125/L.487
3.スカルラッティ ソナタ ヘ長調 K.44/L.432
4.ラフマニノフ 楽興の時 op.16
5.ショパン ソナタ 第3番 ロ短調 op.58
アンコール ショパンのノクターン op.9-2
ラフマニノフのプレリュード op.32-12
スカルラッティとは、1685年にイタリア生まれの作曲家です。
ヘンデルとチェンバロおよびオルガンの腕前を競いあったという逸話があります。
1.スカルラッティ ソナタ ホ長調 K.380/L.23
知らない音楽家はないほど有名な曲です。
主題で始まる活発なソナタで、後半の転調でも高音域を使用するなど華やかな印象が強い作品です。
小太鼓と笛を模倣したと言われておりますが、「行列」というニックネームがありますね。
2.スカルラッティ ソナタ ト長調 K.125/L.487
よどみなく快活なヴィバーチェで、前半部分には同音連打もありますね。
ソナタというよりバッハの平均律に近いかも(^^)
3.スカルラッティ ソナタ ヘ長調 K.44/L.432
前半は形式的な区切りが明確で、和声や旋律も複雑でなく、非常に馴染みやすい。
オクターヴ和音で主和音が連続して打ち鳴らされ、堂々とした響きで調が強調されおります。
ラフマニノフは、1873年に生まれたロシアの作曲家です。
浅田真央や伊藤みどりもラフマニノフの曲を使ってます。
4.ラフマニノフ 楽興の時 op.16
全部で6曲のピアノ曲で、シューベルトの前例と連想させますが、超絶技巧にはリストやショパンの影響が強いと思います。
その中で、第2番、第4番、第5番、第6番の幅に大きさがかみ合って凄いです。
ショパンは、1810年に生まれたポーランドの作曲家です。
5.ショパン ソナタ 第3番 ロ短調 op.58
バッハやモーツアルトとは全く違う面白さが表れた堂々たる大作です。
曲想、規模ともにポーランドの楽章が息づいております。
じっくり聴きましたが、なかなか難しい曲でも、華麗で堂々たる表情は凄いかも・・・
ジョルジュ・サンドという女流作家的に捉えると、青春(第1楽章)から馬に乗って夕焼けから(第2楽章)
夜になって(第3楽章)回想する(第4楽章)・・・と思えばいいのかなあ~(^^)
(ジョルジュ・サンドは、ショパンの同棲でしたので・・・)
第4楽章のエンハーモニックな転調には本当に圧巻かも・・・
たぶん一番のポイントですね。
アンコールに
ショパンのノクターン op.9-2
ラフマニノフのプレリュード op.32-12
が演奏されました。
2014年4月19日(土)愛知県芸術劇場コンサートホール
名古屋フィルハーモニー交響楽団 演奏会 !
ユッカ・イーサッキラ (指揮)
三浦文彰(ヴァイオリン)
1.サロネン:ギャンビット[日本初演]
2.シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調
作品47[1903年オリジナル版]
3.シベリウス:交響曲第5番変ホ長調 作品82[1915年オリジナル版]
アンコール
パガニーニ パイジェルロの「水車小屋の娘」より「うつろな心」による変奏曲
①サロネン:ギャンビット
1998年に作曲されました。
エサ=ペッカ・サロネンは、作曲家兼指揮者ですが、まるで伊勢神宮か出雲大社のような神秘的なイメージです。
雅楽的解釈でフィンランド以上に意識したのでしょうか。(^^)
サロネンの弟子でもあるユッカ・イーサッキラ(フィンランド出身)の持てる技かもね。
チェスの自陣が優位に立つ最初の一手という意味らしいけど、踊り的な解釈は、たぶん合っていると思います。
②シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調 作品47[1903年オリジナル版]
ここで三浦文彰(ヴァイオリン)が登場します。
16歳にして、ハノーファー国際コンクールで優勝という経歴を持っています。
なお、ラハティ交響楽団は、フィンランドのラハティにあるシベリウスオーケストラですが、
今回、シベリウス協会からヴァイオリン協奏曲ニ短調 作品47[1903年オリジナル版]を借りております。
ユッカ・イーサッキラ経由ではありますが、名古屋フィルハーモニー交響楽団に借りる事が出来たことは、
喜ばしいことかもしれません。
ヴァイオリン協奏曲ニ短調を聴くと、よいイメージと悪いイメージの混在が表れて、新鮮すぎます。
特に、楽章間のバランスの悪さを欠点としてオリジナル版がある以上、修正相違点として紐解いてみたいです。
ヴァイオリンのアンコールで、パガニーニ作曲のパイジェルロの「水車小屋の娘」より
「うつろな心」による変奏曲 が演奏されました。
「水車小屋の娘」ということは、ジョヴァンニ・パイジエッロのオペラの模範ということですね!(シューベルトの歌曲ではありません)
パガニーニがアリアから変奏曲とした所が凄いです。
③シベリウス:交響曲第5番変ホ長調 作品82[1915年オリジナル版]
オスモ・ヴァンスカ指揮/ラハティ交響楽団のオリジナル版限定でCDが出ておりますが、
今から15年前に、私は幸運にもタワーレコード渋谷店で買って持っております。
これもシベリウス協会から名古屋フィルハーモニー交響楽団に借りた作品です。
これこそ「神との闘争」の改修、改定の前にオリジナルとしてして世に出した曲です。
静かさと穏やかさに、ブルックナーのような開始フレーズが出てきます。
と思えば、突然終わってしまう、何だか別人が作った曲のようです。
帰り道に「全く違うシベリウスだ!」とおっしゃったおじさんもいましたが、私も同意見です。
特に、第4楽章に表れてる中間部の不協和音とコーダ部には何らかの意図があるかもしれませんね。
2014年11月19日(水)愛知県芸術劇場コンサートホール
名古屋フィルハーモニー交響楽団
ベン・ジャーノン (指揮)
広瀬悦子 (pf)
1.ブリテン:四つの海の間奏曲
Op.33a
2.モーツァルト:ピアノ協奏曲 第9番 変ホ長調 K.271「ジュノーム」
3.チャイコフスキー:交響曲 第6番 ロ短調 Op.74「悲愴」
アンコール
エルガー 愛のあいさつ
ブリテン:四つの海の間奏曲は、最初の出だしから少しおかしいっと思いましたが修正して3曲目では合って来ました。
4曲目になると鳴るわ、鳴らすわで実に面白いコンビネーションにご満足です。
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第9番 変ホ長調
K.271「ジュノーム」では、ピアノの広瀬悦子が息の合った演奏を披露してくれて上手かったです。
特に前から10列目だったのでピアノタッチが見れましたね。
ただオーケストラそっちのけでピアノ集中だったのでごめんなさいね。
だって広瀬悦子が見たかったもん。
チャイコフスキー:交響曲 第6番 ロ短調 Op.74「悲愴」は、厳かに始まり、第3楽章が終わると拍手が起きて驚きました。
主たる指揮者に拍手されるなんて・・・曲の途中で拍手するのは2回目ですけどね。
それほどいい演奏だったんでしょう。
これで「悲愴」の呪縛がとけました。
良かったですね。
2014年12月4日(木)日本特殊陶業市民会館 フォレストホール(名古屋市民会館)
名古屋芸術大学オーケストラ
指揮:古谷 誠一
Sop. 加地早苗、Alt. 飯森加奈、Ten. 加藤利幸、Bs. 伊藤貴之
名古屋芸術大学第9合唱団
1.ベートーヴェン作曲 歌劇「フィデリオ」序曲 作品72b
2.ベートーヴェン作曲 交響曲第9番 ニ短調 作品125 「合唱付」
さて、まず「フィデリオ序曲」を聴きました。
全然合ってないじゃん!っと思っていると、第2ヴァイオリンが合っている事に気づき、なぜか夢中で聴きたくなるじゃん!
交響曲第9番も同じで、第2ヴァイオリンをずっと聴いている状態です。
第2ヴァイオリンの方が難しいのですが、ハマっていますのよ。(^^)
当然、楽譜も第2ヴァイオリンの方がややこしい事が多いのですし、旋律を弾くには技量が必要です。
第1ヴァイオリンより非常に上手な第2ヴァイオリン・・・
ブラボーですね。(^^)
いい経験をしました。
でもね・・・180名からの名古屋芸術大学第9合唱団のボリュームが凄くでかいので、オーケストラが全然聴こえないじゃんっと思いました。
それだけ熱を帯びた素晴らしい演奏だったんですけどね。