コンサート感想 2016

2016年2月27日(土)電気文化会館ザ・コンサートホール
西村 洋美 ヴァイオリン
山崎 早登美 ピアノ

プロコフィエフ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ ニ長調 Op.115
ベートーヴェン:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第5番 ヘ長調 Op.24「春」
シマノフスキ:夜想曲とタランテラ Op.28
シューベルト:華麗なるロンド ロ短調 Op.70 D.895
アンコール 
シューベルト:ロンドアンタンテイーノ


プロコフィエフ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ ニ長調 Op.115
プロコフィエフは、バッハの無伴奏を基に、この形態による楽曲の創作を思い立ち、短期間で作品を書き上げました。
西村洋美さんは、転調やリズムの変化をヴァイオリンに込めていました。

ベートーヴェン:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第5番 ヘ長調 Op.24「春」
誰もが知っている名曲を西村洋美さんは、実に愉快な楽想で気持ち良い仕上がりとなっていました。
特に1分しかない第3楽章は一番華やかでしょう。
知っていますかね。

シマノフスキ:夜想曲とタランテラ Op.28
これは最高の演奏です。
ハンガリーのリストとイタリアのパガニーニとデンマークのニールセンが楽想にこだわっている頃、ポーランドで頑張ったシマノフスキ。
凄いのが毒グモのタランテラをどう退治するのかの駆け引きに度肝を抜かれてしまうヴァイオリンのおぞましさ。
あまりにも圧巻でしたので誰よりも先にブラボーっと叫んだのはいっちーです。

シューベルト:華麗なるロンド ロ短調 Op.70 D.895
713小節という膨大さを2重奏で演奏しきったABACA-Codeという曲。
西村洋美さんのロ短調からロ長調のきらびやかな幸せいっぱいな曲でした。

最後にアンコールで、シューベルト:ロンドアンタンテイーノが演奏されました。



2016年6月27日(月)名古屋市民会館
名古屋フィルハーモニー交響楽団
神奈川フィルハーモニー管弦楽団(共演)
川瀬賢太郎(指揮/名フィル指揮者)
菊池洋子(ピアノ)*

モーツァルト: ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467*
ショスタコーヴィチ: 交響曲第7番ハ長調 作品60『レニングラード』
アンコール
チャイコフスキー:バレエ「白鳥の湖」より終幕


この21番の凄さは第1楽章と第3楽章のカデンツァでしょう!
モーツァルト自信は演奏していないのですが、主題のトゥッティを引き込んで
クライマックスの直前にピアノの面白さをつなげて思う存分追求したカデンツァ!
よかったと思います。

ほとんど大きな楽器編成に対してきめの細かい指示の応酬が
半端ではないのが『レニングラード』の特徴!
ボウイングではダウン・ボウ、アップ・ボウ、スラー、トレモロを有効に
使っているしスピッカートなんて多く利用されています。
まるで"痙攣(けいれん)"を多用しているよう・・・
金管楽器ミュートも使っているしピアノの反復演奏も
ティンパニの飛び跳ねるサーカスやハープの1音1音の指示も凄い!
さすがショパンコンクールを入賞しただけあります。

チャイコフスキーのバレエ音楽「白鳥の湖」から終幕(トリ)をしましたが、
あまりにもアップテンポだったのでイマイチだったかもしれませんね。
でも
「白鳥の湖」自体はいい演奏でいい出来事だったかも・・・ね。



2016年6月30日(木)名古屋市民会館
鈴木理恵子(ヴァイオリン)
若林顕(ピアノ)

1.モーツアルト:ヴァイオリン・ソナタ第24番ハ長調 K.296
2.モーツアルト:ヴァイオリン・ソナタ第34番変ロ長調 K.378
3.クライスラー:ウィーン奇想曲
4.クライスラー:愛の悲しみ
5.クライスラー:中国の太鼓
6.リヒャルト・シュトラウス:ヴァイオリンソナタ
アンコール
7.ドヴォルザーク:我が母の教え給いし歌
8.シューベルト:アヴェ・マリア
9.モンティ:チャルダッシュ


1.モーツアルト:ヴァイオリン・ソナタ第24番ハ長調 K.296
「テレーゼ嬢のために」という副題が付いています。
中期の作品なのでヴァイオリンというよりピアノに主観をおいた作品となっております。
J.C.バッハの旋律が流用されているらしいがよくわかりませんでした。
2.モーツアルト:ヴァイオリン・ソナタ第34番変ロ長調 K.378
後期の作品なのでベートーヴェンに近い創作豊かな作品です。
第2楽章には、モーツアルトが自ら記述した「アンダンテ・ソステヌート・エ・カンタービレ」という
名称がついています。
ソット・ヴォーチェのカンタービレにはうっとりモードで奏でる柔和な世界が広がりますね。
モーツァルトの個性を完全に同化させており、後期の傑作と言われています。
作曲した唯一のヴァイオリンソナタで、オーケストラのようにピアノを駆使した
ヴァイオリンの傑作なんです。
30分はかかるので真剣に聴かないともったいない!
途中、交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」の一説が
登場したりして、聴いていて損は絶対ありません。







2016年8月26日(金)愛知県芸術劇場コンサートホール
アジア・ユース・オーケストラ(ASIAN YOUTH ORCHESTRA)
芸術監督・指揮者 リチャードパンチャス

1.コープランド:市民のためのファンファーレ
2.コープランド:バレエ組曲「アパラチアの春」
3.ホルスト:組曲「惑星」
アンコール
4.スターウオーズ

コープランド:バレエ組曲「アパラチアの春」
台湾的、韓国的、マレーシア的のような市民のためのファンファーレ!
指揮者ではなく演奏者のオリジナルで勝負するのですから凄いよね!

コープランド:バレエ組曲「アパラチアの春」
初めて聴いた、まったく知らなかった「アパラチアの春」。
よく聞くと花嫁とその婚約者のための二重奏が
素晴らしいではないですか!
花嫁が一人で踊る「母性の予感」にはなんでこんないい曲知らなかったの?

ホルスト:組曲「惑星」
何回か聞いた有名な曲ですが、
5/4拍子からの火星
3/4拍子からの木星
6/4拍子からの天王星
変調面白すぎなんですよね。
打楽器の連打って凄い!と感心してしまいますし
ハープってこんなに力あったっけ?
チェレスタの響きって面白い!

最後にアンコールでスターウオーズが演奏されましたが、
アジア・ユース・オーケストラに
在籍中の名古屋のお姉さま(2名)がいらっしゃって
紹介されて拍手喝さいでした!







2016年11月9日(水)愛知県芸術劇場コンサートホール
指揮者:梅田俊明
独奏者:イェルク・デームス(ピアノ)
名古屋フィルハーモニー交響楽団

1.モーツァルト:交響曲第1 番 変ホ長調 K.16
2.モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K.595
3.モーツァルト:交響曲第41番 ハ長調「ジュピター」 K.551
アンコール
4.モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番第2楽章
5.モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク第1楽章


モーツァルト:交響曲第1 番 変ホ長調 K.16
8歳という幼げないモーツアルトが
交響曲という音楽の最高レベルと共存できたという事実に
びっくりしたんですよ。
確かに片鱗は見せていますので
楽しめました。何回か聞いた有名な曲ですが、

モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K.595
モーツァルト最期の年に完成された急緩急の3楽章形式
イェルク・デームスの繊細なタッチはさすがウィーンピアニスト。

アンコール
モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番第2楽章

モーツァルト:交響曲第41番 ハ長調「ジュピター」 K.551
ハ音が連打すると和音全開で
嬉しいコンサートの始まりなんです!
「ジュピター主題」よりも終曲のフーガを聴くと
もう手は指揮者のように振舞っていました。

アンコール
モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク第1楽章