コンサート感想 2018

2018年2月8日(木)名古屋市民会館(日本特殊陶業市民会館フォレストホール)

〈ベートーヴェン・ツィクルスⅤ/ストラディヴァリウス・シリーズ2「ハギンス」〉

名古屋フィルハーモニー交響楽団
川瀬賢太郎(指揮/名フィル指揮者)
イム・ジヨン(ヴァイオリン)*

プログラム
ベートーヴェン: ウェリントンの勝利(戦争交響曲) 作品91
ベートーヴェン: ロマンス第1番ト長調 作品40*
ベートーヴェン: ロマンス第2番ヘ長調 作品50*
ベートーヴェン: 交響曲第4番変ロ長調 作品60

アンコール
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ ホ長調 BWV.1006~第3曲ロンド形式のガボット

①ベートーヴェン: ウェリントンの勝利(戦争交響曲) 作品91
ベートーヴェンの全作品において最大級の管弦楽であり、
管弦楽編成だけを見れば交響曲第9番をも凌いでいるから凄いんですね。

②ベートーヴェン: ロマンス第1番ト長調 作品40*
③ベートーヴェン:ロマンス第2番ヘ長調 作品50*
エリザベート・コンクール優勝者であるイム・ジヨン(ヴァイオリン、韓国)の調べを満喫しました。

④ベートーヴェン: 交響曲第4番変ロ長調 作品60
太陽の光が差し込んでいるような、明るく暖かい印象のある交響曲です。
冒頭の「どぉ~~ そぉ~み~ふぁ~れ~ みどれし そぉ~~ふぁ」と、重い暗い雰囲気のなかで抜き足差し足風に出てくるのだが、ここのフレーズには膨らみ感があるし、息づかいが深い。
勢いよくテンポアップして奏でられていくところは、足腰が柔らかく、優美なんだよなあ。
ファゴットの響き、絡みつくクラリネットに、透き通るようなフルートやオーボエの音色は美しすぎます。








2018年3月18日(日)三井住友海上しらかわホール

玉田裕人(
ピアノ)

①J.S.バッハ=F.ブゾーニ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータから「シャコンヌ」ニ短調
②W.A.モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調(トルコ行進曲付き)
③F.リスト:巡礼の年 第1年「スイス」より
     1.ウィリアム・テルの聖堂
     6.オーベルマンの谷
④F.リスト:愛の夢 第3番
⑤F.リスト:ハンガリー狂詩曲 第12番 嬰ハ短調

アンコール
⑥ショパン/バラード第1番
⑦グラナドス/スペイン舞曲集より6番

①J.S.バッハ=F.ブゾーニ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータから「シャコンヌ」ニ短調
ヴァイオリンソロからピアノに編曲した演奏ですが、好まれるタッチに、強弱のシンコペーションに痺れちゃう感じと言えばわかるかなあ。シャコンヌはピアノでもいい響が奏でられるよね。

②W.A.モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調(トルコ行進曲付き)
誰もが知っている名曲なのでじっとして聴いてみると、インテンポが似合っている素敵なピアノかと思っていました。しかし、最後のトルコ行進曲では速い!?のではっと思ったけど、実際は速度は維持しているという事で、結構面白かったです。

③F.リスト:巡礼の年 第1年「スイス」より
     1.ウィリアム・テルの聖堂
     6.オーベルマンの谷
もう、リスト好きでしょ!っと言わんばかりの熱的ピアノをしていたんです。若い人なりのパワフルさに大好き人間になりそうですわ。

④F.リスト:愛の夢 第3番
考えてしまう愛の夢!
玉田裕人・Hiroto Tamada(名古屋音楽大学卒業生) リスト:愛の夢 第3番を演奏聴いて、何を思ってリサイタルしたのでしょうか。
いっちーさんは、最も最も踏み込んで欲しいなあっと思います。

⑤F.リスト:ハンガリー狂詩曲 第12番 嬰ハ短調
知っている曲の中でピアニスト名歌をどう愛することが出来るのかなっと思うくらい難しい作品です。いっちーさんも課題として向き合いたいリスト名曲集の1つかな。でもポイントはわかったような気がします。つまり、第12番は高まる極みにあるのかもしれません。

アンコールで
⑥ショパン/バラード第1番
⑦グラナドス/スペイン舞曲集より6番

演奏しました!










2018年5月31日(木) 三井住友海上しらかわホール

名古屋ダブルリードアンサンブル

①メンデルスゾーン:結婚行進曲(劇音楽「真夏の夜の夢」より)
②モーツァルト:交響曲第25番 ト短調K.183より 第1楽章
③石田正:フィガロの出産
④ワーグナー:「歌の殿堂を讃えよう」(歌劇「タンホイザー」より)
⑤冨士川健:星条旗 in Blue
⑥リード:アルメニアン・ダンス パート1
⑦ボロディン:中央アジアの草原にて NDRE Style
⑧ガーシュウィン:アイ・ガット・リズム
⑨ハーライン:星に願いを

アンコール
⑩ダニーボーイ(アイルランド民謡)

メンデルスゾーンの華やかな結婚行進曲に始まり、短調の交響曲第25番はモーツァルトの傑作ですのでサリエリ!っと叫びたくなるじゃんね。

石田正作曲の「フィガロの出産」ではモーツァルトの「フィガロの結婚」以外にもロッシーニのオペラやプロコフィエフの「ピーターと狼」までジャンルを問わず楽しめました。
アンコールで、ダニーボーイ(アイルランド民謡)をうっとり聴いて良かったです。













2018年6月26日(火)熱田文化小劇場

ファゴット・トリオ・ザルツブルク 2018

①W.A.モーツァルト
  ディヴェルティメント第4番 変ロ長調 k.anh229(439b)

②W.A.モーツァルト
 ディヴェルティメント第4番 変ロ長調 k.anh229(439b)
③J.S.バッハ/F.ゲバウアー編
 オルガン協奏曲第2番
 (ヴィヴァルディ:協奏曲第8番 2つのヴァイオリンとチェロのための)
④G.ロッシーニ/F.ゲバウアー編
 セヴィリアの理髪師 4つアリア
⑤F.J.ハイドン/H-V.アンドレア編
 ディヴェルティメント ニ長調 Hob.XI-113
⑥W.A.モーツァルト
 ファゴットとチェロのためのソナタ K.292
⑦A.ピアソラ/F.ジャクソン編
 タンゴ組曲

アンコール
⑧ガーシュインのメドレー

J.S.バッハ/F.ゲバウアー編のオルガン協奏曲第2番なんですが、アントニオ・ヴィヴァルディのオリジナルの作品をバッハが編曲した作品と言えばわかるかな。
全く別の曲のようにダブルリードに寄っていましたね。
ヴィヴァルディ「調和の霊感」第8番聴くとオリジナルがわかると思います。

G.ロッシーニ/F.ゲバウアー編、セヴィリアの理髪師 4つアリア と言えば「おれは町のなんでも屋」等が登場します。もうパラダイス的面白い曲作りなのでしょうか。

A.ピアソラ/F.ジャクソン編、タンゴ組曲、ピアソラが作ったタンゴ組曲は4本のファゴットの持つ意味を考えてしまう作品となっています。パーカッションも取り入れた斬新的パフォーマンスに凄く興味がわきました。











2018年11月30日(金) 愛知県芸術劇場 コンサートホール

愛知県立芸術大学管弦楽団 第29回定期演奏会

指揮:尾高 忠明

演奏:愛知県立芸術大学管弦楽団

①W.A. モーツァルト:交響曲第39番 変ホ長調 K. 543
②R. シュトラウス:交響詩《英雄の生涯》作品40


モーツァルト晩年の円熟した傑作として知られる「3大交響曲」(第39番、第40番、第41番「ジュピター」)の最初の曲。
第1楽章からフォルテで明るい序奏が始まるとファンファーレ的な音型がアレグロの主部に引き継がれて行きます。一番面白いのが第4楽章の冒頭の16分音符の音型がこの楽章全体を支配し重要な役割を担うという事です。簡潔なコーダも第1主題冒頭の音型で終えるなんて活かすじゃん。3大交響曲の最初の曲はこの様に有るべきかもね。

リヒャルト・シュトラウスの最後の交響詩である《英雄の生涯》。
愛知県立芸術大学管弦楽団の奮起した《英雄の生涯》を聴いてみましょう。
ポイントはコンサートミストレスであるヴァイオリンの牧野葵さん。
3章の「英雄の伴侶」ではリヒャルト・シュトラウスの妻パウリーネさんであろう美しい調べを堪能出来ました。彼女に心惹かれていく伴侶のテーマは愛の情景が描かれるシーンかと思います。
4章の「英雄の戦場」では、突如舞台裏からトランペットが鳴り響き、敵との戦いが始まる所がかっこいいよね。
6章の「英雄の引退と完成」では英雄は年老いた伴侶に看取られながら、静かに世を去ると言うから痺れるよねえ・・・