コンサート感想 2019

2019年1月18日(金)ザ・コンサートホール

Valor Fresh Artist Concert
熊谷みち子(ソプラノ)& 渡辺美和(メゾ・ソプラノ)
ジョイント・リサイタル

プログラム
①J.S.バッハ:カンタータ第102番「主の目は信仰を見たもう」より”嘆かわし痛みを忘れし魂よ”
②M.ラベル:歌曲「2つのヘブライの歌」よりカディッシュ御身の栄光が、王のなかの王よ、称揚されてあれ。
③R.シューマン:献呈。ひそやかな涙。
④R.シュトラウス:献呈。解き放たれて。
⑤C.サン=サーンス:歌劇「サムソンとダリラ」より”私の心はあなたの声に花開く”
⑥A.ドヴォルザーク:歌劇「ルサルカ」より”月に寄せる歌”
⑦G.ビゼー:歌劇「カルメン」より”ハバネラ”(恋は野の鳥)

休憩

⑧A.ドヴォルザーク:ジブシー(ロマ)の歌より
1.私の歌は響く。2.さあ、トライアングルは。 3.森は静まり。 4.我が母の教えたまいし歌。 5.弦の調子を整えて。 6.ゆったりした麻の布を着て。 7.鷹は自由に。
⑨G.ビゼー:歌劇「カルメン」より”セギディーリャ”
⑩J.マスネ:歌劇「ウェルテル」より”手紙の歌”
⑪R.ワーグナー:歌劇「ローエングリン」より”エルザの夢”
⑫L.ドリーブ:歌劇「ラクメ」より”花の二重唱”

アンコール:瀧廉太郎の花

ジョイントリサイタルで一番好きな歌曲は、A.ドヴォルザーク:ジブシー(ロマ)の歌よりでしょう。
ロマのジプシーの生活をロマンティックに描いています。
歌曲の世界でもシューベルトやブラームスと同じくらいの素晴らしい作曲家であったと思います。

L.ドリーブ:歌劇「ラクメ」より”花の二重唱”も心打たれます。
女声の美しい二重唱が花たちのお喋りにもきこえて春を謳歌しているのはいっちーだけでしょうか?







2019年4月23日(火) 愛知県芸術劇場コンサートホール

トヨタ・マスター・プレイヤーズ

第1部 シューベルト:交響曲 第5番 変ロ長調 D485
    ※トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーン単独演奏
第2部 R.シュトラウス:アルプス交響曲Op.64 (指揮:佐渡 裕)
    ※名古屋フィルハーモニー交響楽団との合同演奏
アンコール
ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ「隠された引力(ディナミーディン)Op.173」

シューベルト:交響曲 第5番 変ロ長調 D485
モーツァルトの交響曲のように明るく新鮮な交響曲第5番。
ウィーンの森、都会の音、忙しい日々が4つの楽章に息づいています。

R.シュトラウス:アルプス交響曲Op.64 (指揮:佐渡 裕)
夜から始まり、夜に終わる登山の醍醐味は最高のパフォーマンスを見つけ出してくれます。
特にアルペンホルンをパイプオルガン前で奏でると素晴らしい!でしょうか。
頂上に着くと絶好調に歌うのがいいと思います。

アンコール
ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ「隠された引力(ディナミーディン)Op.173」
これ、ヨーゼフ・シュトラウスとR.シュトラウスの歌劇「バラの騎士」の引用ではないかと思います。








2019年7月26日(金) 愛知県芸術劇場コンサートホール

名古屋フィルハーモニー管弦楽団
小林研一郎 (指揮/名フィル桂冠指揮者)
南紫音(ヴァイオリン)*
朝岡聡 (司会)

1.スッペ: 喜歌劇『軽騎兵』序曲
2.サン=サーンス: 序奏とロンド・カプリチオーソ 作品28*
3.サラサーテ: ツィゴイネルワイゼン 作品20*
4.ムソルグスキー[ラヴェル編]: 組曲『展覧会の絵』

アンコール
グラジナ・バツェヴィチ:ポーランド風カプリース
マスカーニ:歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』間奏曲
岡野貞一:ふるさと

1.スッペ: 喜歌劇『軽騎兵』序曲
スッペの代表的喜歌劇で始まります。メロディーは皆さんご存知なのではないでしょうか。
出だしのトランペットの響きがひたすら格好よく、
そしてまた、遠くからどんどん近づいてくる馬の疾走が、とてもリズムよく、
体が動きそうになっていたこと思い出しますよね。“いさましく軍馬が走る様子を
想像してみましょう”

2.序奏とロンド・カプリチオーソ
カミーユ・サン=サーンスが作曲したヴァイオリンと管弦楽のための協奏的作品。
名ヴァイオリニストのパブロ・デ・サラサーテのために書かれ、
スペイン出身のサラサーテに因みスペイン風の要素が取り入れられております。

3.サラサーテ: ツィゴイネルワイゼン 作品20*
スペイン生まれのヴァイオリニストであるサラサーテが作曲、
1878年に完成した管弦楽伴奏付きのヴァイオリン独奏曲です。
ジプシー(ロマ)の旋律で親しみあるから分かるかな。

4.ムソルグスキー[ラヴェル編]: 組曲『展覧会の絵』
この曲は誰もが知っている展覧会の絵。
プロムナードを元に10枚の絵が表現しています。
いっちーさんは、卵の殻をつけた雛のバレエが素敵。







2019年8月28日(水) 愛知県芸術劇場コンサートホール

オルガン:都築由理江(愛知県芸術劇場オルガニスト)

演 目
J.S.バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
メシアン:「聖霊降臨祭のミサ」 より “鳥たちと泉”
近藤岳:「きらきら星」の主題による変奏曲
ヴィドール:オルガン交響曲第5番 より 第1楽章

J.S.バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
絶対聴いた事ある名曲です。でもパイプ自体は少ないのです。
鍵盤も4段しかないようですが、ペダル(足鍵盤)の低音に答えるかのように
アルペジオが落ち着きますのが憎いです。

メシアン:「聖霊降臨祭のミサ」 より “鳥たちと泉”
メシアン(フランス)と言えばトゥランガリラ交響曲(CDあります)と
言われるのですが、
聖霊降臨祭のミサ自体は知りません。
聖霊降臨祭のミサとは、カトリックの信仰心を鳥のさえずりを音に見立てて
作曲したオルガン曲なんです。
でもフランスの鳥はちょっと愉快すぎるようです。

近藤岳:「きらきら星」の主題による変奏曲
近藤岳は、オルガニスト 作・編曲家です。
もう「きらきら星」の変奏が笑えるくらい斬新だったんです。
オルガンの中で金管楽器のようなリード管を初めて聴きましたが、
まるでトランペットのようでした。

ヴィドール:オルガン交響曲第5番 より 第1楽章
最も有名なのは「オルガン交響曲 第5番」は
たった4つの音が主になって、この楽曲を構成しているのですが、
どう聴いてもキンコンカンコン~!?らしいのです。
あっ遅刻するぅ~ってね。
でも最後のコーダは、パイプオルガン最大限のパワーで
圧倒されました。











2019年10月23日(水)

名古屋フィルハーモニー交響楽団
ピアノ:グロリア・カンパネル
指揮者:川瀬賢太郎

1.シューマン:歌劇「ゲノヴェーヴァ」作品81 序曲
2.ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」
アンコール
3.アルヴォ・ペルト:アリーナのために

4.シューマン:交響曲 第3番 変ホ長調 作品97「ライン」
アンコール
シューベルト:ロザムンデ第3番間奏曲


★シューマン:歌劇「ゲノヴェーヴァ」作品81 序曲

聖女ゲノフェーファの生と死を参考に、ロベルト・シューマンが作曲した歌劇「ゲノヴェーヴァ」序曲。
「ゲノヴェーヴァ」の不安定な演奏ではありますが、シューマンのオーケストレーションにより、ピアノレーションに近い不安定シーンの数々に情熱的に、動きをもって、ホルンもが輝いていたから面白かったかと思います。

★ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」

イタリアのヴェネツィア生まれで抜群の実力と洗練されたスタイルの融合で新進気鋭なピアノである女性グロリア・カンパネルさん。
しかも、乾いた風潮にイタリア的スタインウェイだからベートーヴェンの皇帝が軽いタッチにドイツから飛んできたって感じです。
ドイツは荘厳な由緒正しいで、イタリアは響きが艶やかって感じかな。
愛嬌な箇所もありますが、イタリア産で乗り切りました。

アンコールで
アルヴォ・ペルト:アリーナのためにが、ピアノソロしました。

★シューマン:交響曲 第3番 変ホ長調 作品97「ライン」

シューマンが好んで散歩していたライン川周辺でケルン大聖堂にインスピレーションをつけて作曲したという交響曲 第3番「ライン」。
シューマンがライン川の川下りやそれを取り巻く環境に大いに触発され、その音楽もまた関連が深いことは間違いなく
第1楽章(ローレライ)、
第2楽章(コブレンツからボン)、
第3楽章(ボンからケルン)、
第4楽章(ケルンの大聖堂)、
第5楽章(デュッセルドルフのカーニヴァル)
と関係が深くなっているようです。

アンコールでシューベルト:ロザムンデ第3番間奏曲が演奏されました。








2019年11月07日(木)

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
クリスティアン・ティーレマン指揮

ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 WAB108(ハース版)
アンコール
ヨーゼフ・シュトラスス ワルツ「天体の音楽」OP.235


今回はハース版で演奏していますが、ドイツ的ブルックナーを迫力満点で聴ける機会があると思います。
リズム・動機は全曲を支配するとブルックナーは「ドイツの野人(ミヒェル)」と教えたと言う。
第4楽章のかっこいいシーンですが、弦楽器はコサックの進軍、金管楽器は軍楽隊、トランペットは皇帝陛下でありツァールが会見する時のファンファーレを示すと言うから闇に対する光の完全な勝利と名付けようっと思います。
まさにブルックナーのごとしでしょう。

アンコール
ヨーゼフ・シュトラスス ワルツ「天体の音楽」OP.235
これも、ウィーン・フィルハーモニーのニューイヤーコンサートでお馴染みですからわかりますよね。







2019年12月19日(木)

名古屋芸術大学フィルハーモニー管弦楽団
髙谷光信
指揮

ソプラノ:原田幸子
メゾソプラノ:谷田育代
テノール:中井亮一
バス:伊藤貴之

R.ワーグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より第1幕への前奏曲
ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調「合唱付」作品125

「ニュルンベルクのマイスタージンガー」ですが、
弦楽器の最初から出だしが合っていないのです。
これは、踏み込んでいないからダメなのか・・・
ボーの悪霊なのか・・・
ビッチカードの妄想なのか?
第1ヴァイオリンは、鈍感な反面があり、見えてくるもの自体が結構イタイけど、
第2ヴァイオリン、ヴィオラやチェロには上手く引けているから
ヴィブラートやピッチカートを使って響き方の工夫が必要なのかも知れないですね。
しかし、管楽器は合っていましたから、コントロールバランスは、良いようです。

交響曲第9番ニ短調「合唱付」。
バックには、名古屋芸術大学フィルハーモニー管弦楽団の合唱メンバーが頑張りましたね。
聴いていると合唱メンバーが光っているから
セントラル愛知交響楽団級に匹敵するぐらいの歌唱力は供えているみたいです。