コンサート感想 2024

2024年01月25日 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール(名古屋市民会館 大ホール)

第89回市民会館名曲シリーズ
〈マイ・フェイヴァリッツⅣ/シェレンベルガーのグレイト〉

名古屋フィルハーモニー交響楽団
ハンスイェルク・シェレンベルガー(指揮、オーボエ)
マルギット=アナ・シュース(ハープ)

プログラム
1.モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲ハ長調 K.299[オーボエとハープ版]
2.シューベルト:交響曲第8番ハ長調 D 944『グレイト』

【ソリストアンコール】
R.シューマン:リーダークライスより第5曲「月夜」
オーボエ:ハンスイェルク・シェレンベルガー
ハープ:マルギット=アナ・シュース

聴きどころ
近年では指揮者としても大活躍のシェレンベルガー氏と名フィルによるシューベルトの傑作、グレイト。
歌曲王として名を馳せたシューベルトでしたが、この大曲により人々の認識を覆しました。
オーボエとハープに編曲されたモーツァルトの協奏曲も他では聴けない必聴物です。
是非会場でお楽しみください!

ハンスイェルク・シェレンベルガーとは?
ドイツのオーボエ奏者であり、指揮者です。
1980年にベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席オーボエ奏者に就任し、2000/2001年のシーズン終了までこのポストを務めます。
1998年10月23日にクラウディオ・アバド指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団で
このオーボエ奏者も聴いています。
素晴らしいパフォーマンスでした。
今回、名古屋フィルハーモニー交響楽団で指揮までする?と言うのでむちゃくちゃ嬉しく思います。

マルギット=アナ・シュースとは?
ミュンヘン出身のハープの女王でシェレンベルガーの妻である方がマルギット=アナ・シュースです。

モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲ハ長調 K.299[オーボエとハープ版]

ハンスイェルク・シェレンベルガーさんの指揮&オーボエ、
マルギット=アナ・シュースさんのハープで、
オーボエとハープ版のモーツァルト「フルートとハープのための協奏曲」を聴きました。
ハッピーな気分になれること間違いなしの琴瑟相和す演奏です。
C管オーボエのコンプリートで華やかな調べには愉快な曲かと思いました。
また、素晴らしいハープも紅一点面白かったようです。
世界で活躍するハープの第一人者ですから高みに導くことありかなと思いました。

【ソリストアンコール】で、
R.シューマン:リーダークライスより第5曲「月夜」を演奏しました。
第一音目から月の輝きを感じるようなインパクトのある曲ですから、
すぐに月夜の世界へと吸い込まれていきますよね。

シューベルト:交響曲第8番ハ長調 D 944『グレイト』

本当に天国的な長さです。
今回は、まさに天国的な長さを地で行った演奏でした。
ハンスイェルク・シェレンベルガーさんの指揮で、シューベルトの交響曲第8番『グレイト』を聴いたのですが、
普通は、50分ぐらいの所、繰り返しリピートする事で60分越えの曲となりました。
ある意味の中で管楽器には指示が半端でないようで指揮者の指示で統一していた気がしました。
つまり、管楽器の持つ感性のような意味を最大限利用したイメージがあるのかなと理解しました。
そして、第1,2,3,4楽章のCODE理論の意味。
日本人のないドイツ人特有の指揮アクションにただただ作り方のこだわりが芽吹き、そして、納得感あるなと思いました。










第90回市民会館名曲シリーズ〈マイ・フェイヴァリッツⅤ/川瀬賢太郎のローマ三部作〉
市民会館名曲シリーズ
2024.3.24 (日) 16:00

日本特殊陶業市民会館 フォレストホール(名古屋市民会館 大ホール)

出演

川瀬賢太郎(指揮/名フィル音楽監督)

名古屋フィルハーモニー交響楽団

プログラム
1.レスピーギ:交響詩『ローマの噴水』
2.レスピーギ:交響詩『ローマの松』
3.レスピーギ:交響詩『ローマの祭』

本日、〈第90回市民会館名曲シリーズ〉の開演前15:30から、1階席ホワイエにて、ロビー・コンサートを開催!

出演は、VIOLASSIMO! によるヴィオラ・アンサンブルです。

▼レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア第1組曲より
 第1,4楽章

▼ヴェルディ:歌劇『椿姫』より
 序曲

ただいま、VIOLASSIMO! によるロビー・コンサートの真っ最中! 名フィル・ヴィオラ・セクション全9名が、レスピーギ&ヴェルディのイタリア🇮🇹プログラムを演奏いたします!

アンコール
マスカーニ作曲 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲

日本特殊陶業市民会館 フォレストホール(名古屋市民会館 大ホール)では
名古屋フィルハーモニー交響楽団のコンサートマスターが退任(お辞め)されると言うのでお邪魔したのです。

さて、開演前15:30から、1階席ホワイエにて、ロビー・コンサートを開催しておりまして、VIOLASSIMO! によるヴィオラ・アンサンブルを開催しておりました。

1.レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア第1組曲より第1,4楽章
2.ヴェルディ:歌劇『椿姫』より序曲

プログラムは、レスピーギ:交響詩『ローマの噴水』、レスピーギ:交響詩『ローマの松』、レスピーギ:交響詩『ローマの祭』です。

レスピーギ:交響詩『ローマの噴水』
オルガンあるし、チューブラベル(ニ音のもの)もあるし、第1部 夜明けのジュリアの谷の噴水、第2部 朝のトリトンの噴水、第3部 真昼のトレヴィの泉、第4部 黄昏のメディチ荘の噴水4つの部分は連続して演奏されるので、リムスキー=コルサコフの管弦楽法の影響が見られるのが特長です。
古典的な交響曲にみられる4楽章構成をとっており、それぞれは、「夜明け」、「朝」、「真昼」、「黄昏」の時間帯と、ローマの名所4箇所の噴水が、当てはめられているそうです。

レスピーギ:交響詩『ローマの松』
第1部 ボルゲーゼ荘の松、第2部 カタコンバ付近の松、第3部 ジャニコロの松、第4部 アッピア街道の松で、オルガンとトランペット&トロンボーンとのアッピア街道の霧深い夜あけが1番感動する。
古代ローマの進軍道路として使われたアッピア街道の石畳の道は、今でも残るそうでピアニッシモから「軍隊の行進」に伴い徐々に音強を増し、フォルティッシモに至るのが素晴らし演奏です。

レスピーギ:交響詩『ローマの祭』
第1部 チルチェンセス、第2部 五十年祭、第3部 十月祭、第4部 主顕祭、パーカッション (最低9人)全快で、マンドリンもあり、単一楽章で4つの部分が切れ目なく演奏される、
各部分は、古代ローマ時代、ロマネスク時代、ルネサンス時代、20世紀の時代にローマで行われた祭りを描いたものであるので、古代ローマ帝国で競技や戦いの場で兵士を鼓舞するために吹き鳴らされていた金管楽器が素晴らし演奏です。

アンコールで、マスカーニ作曲 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲をやりましたが、日比さん(コンサートマスター)から記念撮影をしておりました。観客席の写真撮影に収めたので良かったです。









2024年04月03日(水)

トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーン(管弦楽)
下野竜也(指揮)
名古屋フィルハーモニー交響楽団(管弦楽)

エルヴィン・クランバウアー(フルート)
ペーテル・ソモダリ(チェロ)
エルマー・ランダラー(ヴィオラ)

【曲目】
モーツァルト:フルート協奏曲 第1番 ト長調 K.313
 ◇トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーン単独演奏
R.シュトラウス:交響詩「死と変容」Op.24
R.シュトラウス:交響詩「ドン・キホーテ」Op.35 (チェロ独奏/ペーテル・ソモダリ、ヴィオラ独奏/エルマー・ランダラー)

◇トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーン&名古屋フィルハーモニー交響楽団 合同演奏 (指揮/下野竜也)

モーツァルト:フルート協奏曲 第1番 ト長調 K.313

トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーンの単独演奏です。
エルヴィン・クランバウアー(フルート)のハーモニーは、協奏風ソナタ形式から始まるフルートが表情豊かです。
躍動感があり、大変楽しめる演奏と思います。
明るく伸びやかで、とても親しみやすい作品でした。

R.シュトラウス:交響詩「死と変容」Op.24

◇トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーン&名古屋フィルハーモニー交響楽団 合同演奏 (指揮/下野竜也)

実は、ドイツ語のVerklärungを「変容」と訳してあるのだけど、
これはもともと、十字架にかけられたキリストの相貌が死に臨んで激変し、
安らかな表情に変わったことを意味する言葉です。
「光明で満たすこと」、「浄化」といった訳にもなります。
この若書きの〈死と変容〉では、凡てが朽ち果てるという切実な実感の代わりに、
幻想的なロマンとしての“死”が描かれているのです。
つまり、“死”をテーマにすることで“生”とは何かを問いかける、
というのは、ロマン派の流行みたいなもので、
直接的には、交響詩の創始者リストの交響詩〈レ・プレリュード〉
(“生”は“死”の前奏曲に過ぎないというのが標題の意味)を継承した内容になっている訳で
流石かと思いました。

R.シュトラウス:交響詩「ドン・キホーテ」Op.35
(チェロ独奏/ペーテル・ソモダリ、ヴィオラ独奏/エルマー・ランダラー)

◇トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーン&名古屋フィルハーモニー交響楽団 合同演奏 (指揮/下野竜也)

交響詩『ドン・キホーテ』の独奏チェロ・パートはチェロのもつ雄弁な性格をうまく表現しており、
チェリストにとって重要なレパートリーです。
しかし、あくまで交響詩であるがゆえ、チェロ協奏曲のような演奏効果をもたらさないようです。
その一方で、卓抜した管弦楽法により多彩に鳴り響くオーケストラは、聴きものであります。
指揮者の解釈によっては独奏チェロがあまり目立たない演奏を好む見たいです。
それに、ヴィオラ独奏はチェロ独奏よりもさらに目立たないけど、
低弦でのユーモラスな動きや中音から高音域にかけての伸びやかな音色など
ヴィオラの持つ個性をうまく表現しているので素晴らし演奏です。
まさに、大管弦楽のための騎士的な性格の主題による幻想的変奏曲でしょう。